[レポート] E-8 【B2B SaaS / 立ち上げ期】解約されないプロダクトの作り方 – プロダクトマネージャーカンファレンス2022 #pmconf2022
2022年11月02日(水)、プロダクトマネジメントに携わる人たちが共に学び、切磋琢磨するイベント『プロダクトマネージャーカンファレンス2022』がオンライン形式で開催されました。
当エントリでは、ブレイクアウトセッション『【B2B SaaS / 立ち上げ期】解約されないプロダクトの作り方』の参加(視聴)レポートをお届けします。
目次
セッション概要
セッション概要は以下の通りです。
【B2B SaaS / 立ち上げ期】解約されないプロダクトの作り方
[登壇者]
・鈴木 康弘氏(株式会社アシュアード/脆弱性管理クラウド yamory プロダクトオーナー)
[セッション概要]
B2B SaaSのビジネスモデルが注目を集めています。今回B2B SaaS PMFまでの立ち上げ期で特に重要なチャーン(解約)に焦点を当て、私がプロダクトオーナーを務める「脆弱性管理クラウド yamory」で実践し、そこから得られた学びを、B2B SaaSを立ち上げているPMに共有します。
●学べること
メイン業務の中でユニーク(置き換え不可能)な価値を創る
価値を伝え、業務を回して、価値を実感してもらう
利益を確保しつつ、価格優位性も保つ
提供業務数を増やし、依存度を増やす
エンドユーザーに好きになってもらう、ペインをためないようにする
同じ土俵で戦わない、比べられないプロダクトへ
(※以上、公式サイトより引用)
セッションレポート
自己紹介
- 脆弱性管理クラウドyamory プロダクトオーナー
- 2018年 yamoryを起案、事業化
- yamory:
- ITシステムの全レイヤーの脆弱性対策をオールインワンで実現
- IT・Web系だけでなく、大手企業や非IT企業の導入も加速
- イントロ
- yamory:リリースして3年、解約企業は1社のみ
- その1社も利用していたプロジェクトが無くなってしまった
- 3年間を通して学んだことをBtoB SaaSビジネスの立ち上げに携わっている方向けに共有
【SaaS/立ち上げ期】解約されないプロダクトの作り方
メイン業務の中でユニークな価値を創る
- 業務システムのMVPとは?
- 対象業務を最低限回すことが出来る、ユニーク(選ばれる理由/置き換え不可能)な価値を組み込む
- UVPという定義 - UVPって何?
- 強みの組み合わせで、顧客状況や競合比較の中でユニークな価値提案を作る
- yamoryのターゲットと強み
- ターゲット:組織的な脆弱性リスクの管理体制を構築したい企業
- コンセプト(タグライン):ITシステムの脆弱性対策をオールインワンで実現し、リスク管理体制を構築する
- 顧客から見たメリット・強み
- 脆弱性リスクを一言管理出来る
- リスクの高いものが分かりやすい
- シンプルに脆弱英の対応フローを構築出来る
- etc
- 特定顧客Aに対するUVPの例
- 顧客が臨んでいて、競合他社が提供出来ない、会社が提供出来る「価値」を提示
- メイン業務の中でユニークな価値を創る
- 強みの組み合わせで顧客状況や競合比較の中でユニークな価値提案を作る
- +パターン化し、形式知としてチームに落とし込む
価値を伝え、業務を回して、価値を実感してもらう
- こんなことが起きていないか?
- 購入したお客様の運用がなかなかスタートしない
- 何も進捗がなく放置気味、温度感が下がっている
- yamoryで注力したこと
- 運用スタートのためのオンボーディングプログラム
- オンボーディングプログラムのポイント
- 関係者にできるだけ多く参加してもらい、目的や意図・サービスの価値を正しく伝える
- 運用スタートまで2-3stepに分け、2-3ヶ月で完了させられる
- 価値を伝え、業務を回して、価値を実感してもらう
- オンボーディングプログラムのポイント
- アクティビティの異常監視とCSフローの構築
- 運用指標から異常を検知
- コミュニケーションプランを決める定期的なCS会議の設置
- 運用スタートのためのオンボーディングプログラム
- 価値を伝え、業務/運用を回して、価値を実感してもらう
- 売って終わりではない
- 価値を実感してもらい、長く利用して頂く仕組みが必要
利益を確保しながら価格優位性を保つ
- 「値決めは経営 値決めはトップの仕事 お客様も喜び、自分も儲かるポイントは一点である」(稲盛和夫氏の名言)
- yamoryは3年で3回の価格変更
- はじめは固定のキャンペーン価格から
- 1プランで従量課金の導入
- 現在の「松竹梅」の3プランと従量課金モデルへ
- 料金プランを作成する際に考慮した観点
- 提供価値に比例した従量課金
- セールスを配置した場合、最低販売価格ライン
- ニーズ別の料金プラン
- ディスカウントルール
- 考慮すべき変数を理解する - P/L引いて儲かるのか?
- 競合と比較いて選ばれるか、勝てるか?
- 着地イメージを大まかにデザインして段階的に調整・修正していく
同じ土俵で戦わない、比べられないプロダクトへ
- 機能・性能面を考えても、こういう価格帯でやりたいことができるのはXXXXしかない
- 感情面でも好き・応援したい
- 「比べて選ばれる」から「比べられなくなる+好きで使い続ける」へ
まとめ
という訳で、プロダクトマネージャーカンファレンス2022のセッション『【B2B SaaS / 立ち上げ期】解約されないプロダクトの作り方』の視聴レポートでした。